心身相関とは
心身相関とは「心と身体が相互に影響をおぼよしていること」を意味します。
例:心→身体
・慢性疼痛(心身症)の患者さんで、落ち込んだ時や怒りを感じた時に痛みが強くなる。
・過敏性症候群(心身症)の患者さんで、不安が高まった時に腹痛が出る。
例:身体→心
・慢性疼痛(心身症)の患者さんで、痛みが強くなると絶望感を感じる。
・過敏性症候群(心身症)の患者さんで、腹痛や下痢が続くと、不安が強くなる。
この心身相関は私たちも経験することが少なくありません。試験前にとても緊張した時に脈が速くなって動悸を感じたり、失恋して落ち込んだ時に食欲がなくなったり、このような経験されたことのある方もおられると思います。
心療内科の治療においては心身相関について患者さんが気づいていくことが大事な作業になることがあります。心療内科を受診される患者さんの中には以下のような苦痛を感じておられる方がおられるからです。
・つらい症状が続いているのに受診した医師からは「どこも異常がない」と言われた。何か重大な病気がかくれているんじゃないだろうか。
「原因のわからない、重大な病気かもしれない症状」に不安になり、悩まされている患者さんが心と身体のつながりに気づくことができれば、その症状のメカニズムを把握できるようになり、今度はその症状を自分でどのように扱っていくかという治療に目が向けることができるようになります。
ただ、この心身相関への気づきを促すのは慎重にしないといけないこともあります。例えばこんな患者さんならどうしましょう。
・医師から「精神的なもの」と言われた。私がつらいのは身体の症状なのに!
このような患者さんに心身相関のお話をストレートにぶつけるのは難しいですよね。どのように心身相関への気づきを促すかは別の項でお話ししたいと思います。
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